従来の立坑構築工事は、掘削や矢板設置など人の手による工程が必要で、その施工速度や安全性の面で多くの改善点が存在していました。その点、ケコム工法では鋼製ケーシングを地中に圧入、内部の土砂を掘削することで立坑を構築。工程の全てが専用機械施工となり、立抗内での人力作業が不要となります。
また省スペースでの施工が可能で環境負荷も極めて少なく、長期にわたる交通規制が難しい都市部や工事区間の確保が難しい鉄道沿線など、場所わ選ばずスピーディな施工が可能。その汎用性の高さから、現在ではケコム工法は立坑構築のスタンダード技術として、全国各地多数の工事で採用されています。
ケコム工法では呼び径φ1500からφ5000まで、多彩な用途に対応。またケーシングには特殊刃先もラインナップされており、硬土質環境での施工も可能。これら機能の拡大に必要となる設備機器・基礎技術の全てを、コプロスでは自社内で開発しています。立坑口径の拡大や大深度化など、需要に応じて「常に進化し続ける」技術である点も、ケコム工法の大きな特徴の一つです。
ケコム工法を開発したのは、コプロスの宮崎衛前社長。1982年、小口径管推進工事に取り組んだ際に岩石や地下水に大いに悩まされたことから、ケーシング工法をベースとして自走式小型立坑機を開発、その技術を推進用立杭にも発展させたものです。ケコム工法は「常にアイデアを書き残せるよう枕元にもスケッチブックを欠かさなかった」という前社長のモノづくりの精神の結晶であり、メーカー型建設業・コプロスの象徴とも言える存在なのです。
【受賞歴】
黒瀬賞 公益社団法人日本推進技術協会
建設機械奨励賞 一般社団法人日本建設機械施工協会
NO-DIG賞 国際非開削技術協会